M o v i e
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「ゴールデンスランバー(著・伊坂幸太郎)」読了しました。 同タイトルで上映中の映画原作本です。 映画の副読本としての面白さと、純粋にミステリ小説として、どっちの面白さもありました。 まず、映画との関連性としては、映画では時間(尺)の関係上語られていなかった部分が解って、謎が解けてすっきりしたという事はもちろんですが、より細かく場面を描いているので、映画で語られていた部分に関しても、そういう意味が含まれていたのか!とわかりました。 映画の最大の謎は、犯人が誰なのかという事と、なぜ主人公が選ばれたのかという事、主人公が最後にとった行動はなぜなのか・・・という事です。 前の2つに関してはある程度推理が出来ました(前の日記に書いた通り) しかし、最後に関しては映画では明確な答えが描かれておらず、推理の根拠になりそうな部分もなかったため、結局よくわからないままだったのですが、原作にはなるほど!という理由つけがあったのには感動しました。 反対に、原作では重要な要素だったのに映画では端折られていた部分があります。 「セキュリティポッド」です。 映画ではこれが無くなって、結果として1つ伏線が消えています。 でも、ま、あまり影響はないんですが。 全体的に映画版が原作に忠実に作られていた事を知って、幸福な原作だったんだなと感じました。 それはそれとして、小説としても普通に面白かったのです。 既に映画で観て、あらすじは知っていたのにも関わらず、最後まで先が気になっていました。 さすがこのミス(このミステリーがすごい)1位になった本です。 ミステリ、SF、娯楽小説としての部分が絶妙に混ざっていて、読みやすい割に深い。 そして1つ1つの些細なセリフにまで巧妙に伏線が張られていて、時間軸が移動する事で過去と現在が複雑に入り乱れる構成。 見事でした。 そんなこんなで、映画もよかったけど原作も良かったです。 |