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映画『レポゼッション・メン(Repo Men)』観まっした。 モレラ岐阜です。 近未来のアメリカで、人工臓器を回収する仕事の男の話です。 夏の超大作映画の影に隠れてる感はありますが、個人的にかなり好きなタイプの映画でした。 全体的な世界観はちょっとブレードランナーっぽいです。 かといって車が空を飛ぶわけでなく主人公が追いかける相手はレプリカントでもないですが。 いきなり冒頭から、主人公が「シュレーディンガーの猫」の話を始めます。 (シュレーディンガーの猫(シュレーディンガーのねこ)とは、物理学者のエルヴィン・シュレーディンガーが提唱した量子論に関する思考実験の名称である wikiより) ちなみにこの話はシナリオの後半で重要な部分に関わってくるので、ここまでで措いておきます。 主人公が勤めている会社は高額な人工臓器を売り、ローンが返済できなくなったら回収人(主人公)が殺して臓器を取り戻していくという無茶苦茶な設定なのです この、臓器の売り方はまるで住宅を半ば騙す様にして売って、ローンが返せなくなったら無理やり家から追い出すというサブプライムローンそのままです。 ただし家ではなく、臓器なので、取られたら死にます。 主人公は元軍人なので、延滞人がどんな相手でも死に至らしめて臓器を回収してしまうのです。 当然、契約といえ倫理に反している行為なので警察がだまってはいないと思うのですが、この近未来の警察は完全に汚職に染まっているようで(ちょっとそんな描写があり)特に取り締まるわけでもなく、むしろ会社の味方のようです。 この辺「ロボコップ」に近いのかもしれません。 マイケルベイ監督の「アイランド」も同じような話でしたがあちらはクローン人間でした。 こっちはクローンではない人間です。 「金が払えないなら臓器を売って・・・」ではなく「臓器を返せ」という皮肉なのです。 会社の方も表立って人を殺しているわけではなく、回収人たちの仕事はあくまで裏の顔といった感じですが奥さんは旦那の仕事内容を知っているので、今にも愛想を尽かしそうな状態です。 そしてあるとき主人公に事故が起こり、主人公の体内にも人工臓器を入れなければ助からない状態になってしまうのです。 この辺は「第9地区」を思い出します。 そしてそこからどんどん予測できない展開になっていって面白いです。 もうラスト・エンドロールの最後まで目が離せないんです。 話の方はハリウッドにしてはかなり考えさせられる部分があって深いですが、アクションも思ってた以上に楽しめました。 全体的に画と音の使い方が上手いですが、特に後半の見せ場の場面でのシンクロ具合は久々に、BGM(歌入り)と画のテンポがぴったりとあっていてむちゃくちゃカッコいいんです。 ここ最近はあまりパンフ買わないのですが、思わず買ってきてしまいました。 個人的には今年のベスト3には入りそうな作品でした。 なんでこんな時期に公開・・・嗚呼もったいない。 |