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『悪人』
[感想 -COMMENT-]

映画「悪人」観ました。

− −引用− −

保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。

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という、第34回大佛次郎賞、第61回毎日出版文化賞を受賞を受賞した吉田 修一の小説が原作の李相日(リ・サンイル)監督による映画です。

李相日というと村上龍の「69 sixty nine」の映画版を監督した人ですが、「69 sixty nine」の時はクドカンの脚本が原作とまったく違うものになっていた割に原作のメッセージはうまく理解して作られていた感じがして、いいアレンジだったという記憶があります。

今回の悪人は長崎、佐賀、福岡を舞台にして群像劇として描いているので、村上龍の小説でいうと「コインロッカーベイビーズ」に近い感じがします。

(「コインロッカー〜」でいうと妻夫木君(スカイライン GT-R)がキクで岡田君(アウディ)がハシといった感じでしょうか。アネモネは深津さん豊島さんのどっちの要素もあるが・・・)

最近のシネコン型映画特有の綺麗なメイクで汗をかかない俳優が派手な色彩のスクリーンで青春を謳歌する映画が悪いというわけではないですが、こういう暗い画面で将来の無い若者が現実に振り回されるという映画は重いですが、大切な事を教えてくれる気がします。

個人的によかったのは、樹木希林さんが漢方薬セミナーで一悶着あるところですが、まさに「あるある!」という感じです。

それとさまよう刃状態の柄本明さん。宮崎美子さんとの芝居のやりとりもいいです。

このいぶし銀の演技が観れただけでも十分ですが、出番少ない余貴美子さんの母親もやさぐれてていい感じでした。

全体的に「北の国から」の九州版ぽい感じで、いい映画でした。


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