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こちらは原作が京極夏彦原作の小説ですが、樋口彰彦作画のコミック化が全5巻で既に完結していて、今回は劇場アニメ化です。 とりあえずコミック版完全版を読んだら予想以上に面白くて、嵌りました。 映画の方はベースはこのコミック版みたいですが、流石にこの内容を99分に収めるのは無理があって、世界観を説明しきれてない感じと、話の中にSCANDALを組み込んで「けいおん」っぽくしようとして余計なシーンを入れているのが災いしている感じで、シリアスな話なのに緊張感がイマイチで感情移入できないという結果になってしまっているのが残念です。 具体的には・・・ パイドバイパーや未登録住民(ゴースト)達の住むB地区の話が出てこないので麗猫と美緒の関係性が曖昧になって、未登録住民側と体制側の確執が描かれない、その結果主人公達が持っている端末(モニター)の必要性とその弊害に関しても曖昧な表現になってしまって、中村雄二の過去の話とか6年前の事件とかもなくなっています。 さらに未登録住民一斉検挙の話と形状認識障害の話が無かったりして、複線が無いままあの矢部の事件が起きるので、矢部が襲われる事の必然性もあまりない・・・ 他に作倉(占い師)が出なかったり不破(カウンセラー)と橡(刑事)の関係性とか色々省略されているのですが、一番説明不足なのは「ルー=ガルー」そのものです。 近未来のSF物学園アニメとしては電脳コイルとか超電磁砲とかTVシリーズで世界観をあるていど時間をかけて説明していて、それが後半のシリアスな展開につながるようにつくられているのですが、ルー=ガルーもコミック版はそういう作風なので、この劇場板はなんともおしいですね・・・ あとキャラクターの絵柄が小説とも漫画とも違う絵になってるのですが、都築がなんかパワーパフガールズ(カートゥーン)みたいに見えるのは気のせいでしょうか。 ガールズはガールズで好きですが。 漫画版が出来が良いだけにこちらはいい原作を持っているのに話的にも絵的にも活かしきれていなくて、なんともおしい映画でした。 |